【インタビュー】氷河期世代採用の現場を知る by 株式会社 立売堀製作所
【会社プロフィール】
長浜市に本店を構える、消防用設備・器具の設計・製造・販売を扱う日本国内トップメーカー。
昭和11年創業、従業員数は230、平均離職
率も極めて低い。主に営業職と製造職で求人活動を行う。
1. なぜ、就職氷河期世代を採用しようと思ったのですか?
私自身も就職氷河期世代で、何社もエントリーして面接にさえ進めなかったことを思い出します。自分自身の苦労してきた経験も踏まえて、年齢や性別など、関係なく意欲がある方を採用したいと考えていました。当社では、現在5、6人の就職氷河期世代で非正規歴が長かった方が働いています。みんな頑張ってくれています。
2. 採用選考時のポイントは?
就職氷河期世代の採用に限ったことではありませんが、3つのポイントから判断しています。1つ目は「うちに合うかどうか」。非正規であったとしても経験がマッチするかどうかが大切だと考えています。2つ目は、「本人の意欲」です。なぜうちなのか?うちの会社のどこに興味を持って、これまでの経験をどのように生かしたいのか見えるかです。そして、3つ目を最も重視しているのですが、それは「長期就業できるイメージを持てるかどうか」です。
「長期就業できるイメージ」を持てるかどうかを聞く際に、その方がこれまでお勤めされてきた退職のご理由を聞くようにしています。納得できる退職理由か、定年(うちの会社は60歳)まで働いてもらえるかどうか。どれだけ正直に話してもらえるかが重要になってきます。
3. 就職氷河期世代を採用・活用する際に、社内で見直されたことがあるようでしたら、教えてください。
特に見直されたルールや規定などはないですよ。入ってしまえば。これまで正社員で働いてき方や、非正規だったことや、転職出身者だからというのは関係なく接しています。当社の社風にも関係してくると思うのですが、社訓にも入っている「和」というのを大切にしています。協調を大切にしている文化です。非正規出身の方が入ってきても、入社すればみんなで育てていこうという考え方が根底にあります。
給与規定なども変えておらず、非正規歴が長い方の場合、同年齢の方の少し下の号俸に設定していることが多いです。その後は、ほかの社員と一緒に年次昇給していくことになります。
4. 採用前と採用後で、就職氷河期世代の人たちに対する考え方やイメージはどのように変わりましたか?
もともと非正規や正規などに違いは感じていなかったのですが、非正規歴が長かったとしても、入って普通に戦力として活躍してくれています。
就職氷河期世代の方々を採用して、会社の中で組織内の手薄な世代を充実させることができて、長期的な会社の成長や人材戦略を考えると、大変良かったと考えています。
5. 就職氷河期世代の活躍について最後に一言お願いします。
就職氷河期世代を生きてきたご本人は、過去は変えられないので、今後のキャリアを積む中で、どう経験を生かしていくかが大事だと考えています。いろんな理由やタイミングで、氷河期ってなってしまったんですけど、それは強みでもあるので、ポジティブにとらえていくことが大切です。ネガティブに感じず、氷河期世代だからこそできることもあるので、アクティブに活動して欲しいと思います。
会社情報
会社名 | 株式会社 立売堀製作所 |
所在地 | 〒529-0343 滋賀県長浜市湖北町小倉280番地 |
ホームページ | http://www.itachibori.co.jp/ |
事業内容 | 消火栓設備や連結送水管などの消防用設備・器具 設計・製造・販売 |