【イベントレポ】SJP未来塾特別版「モヤモヤ雑談会」第1回 桜林直子さん×吉本ユータヌキさん

モヤモヤ雑談会案内

イベントレポート担当ライターの近野です。

SJP未来塾の特別版、働きたくないと思っている方のトークラジオ「モヤモヤ雑談会」をオンラインで開催しました。

今回は、2024年12月19日(木)に開催された第1回、テーマ「やりたいことがない」のラジオの内容をレポートします。同時接続人数が一時は150名を超え、大盛り上がりの講座になりました!

本イベントを運営している「しがジョブパーク」では、就職活動の中で一歩踏み出したい人を後押しするセミナー「SJP未来塾」を企画しています。

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第1回「やりたいことがない」のゲスト講師は、株式会社サクアバウト代表の桜林直子さんと滋賀県在住の漫画家・イラストレーターの吉本ユータヌキさんです。

ラジオは、吉本さんが「サクちゃんは僕の師匠です」と桜林さんを紹介したところから、なごやかな雰囲気で始まりました。

おふたりの詳しいプロフィールは「まとめの下段」を確認してみてください。

やりたいことがなくても、やれることはある

中学生の時から、やりたいことが分かりませんでした。将来の夢は「公務員」だと答えていたんですけど、そう言えば親が安心するからという理由でした。
「やりたいことがなくても良い」と思えたのは、サクちゃん(桜林さんの愛称)の著書『世界は夢組と叶え組でできている』を読んだからです。

やりたいことがある人とない人がいるのはどうしてだろう?何が違うんだろう?どうしてやりたいことがないんだろう?といったことを考えて書いた本ですね。

著書のタイトルにもなっている「夢組」と「叶え組」の違いを説明してもらえますか?

「あれになりたい」「ああいう状態になりたい」のように夢を持っている人を「夢組」、誰かの夢のお手伝いをしたり、応援ができたりする人を「叶え組」と呼んでいます。全員が夢組だと物事が進まないので、夢組と叶え組は常にセットで働いているんです。自分にやりたいことがなくても、やれることは多くあります。

テレビを観ていると出演している芸能人に憧れますが、それを映しているカメラマンがいたり、照明さんがいたり。見えないところにも関わっている人はいますよね。

そうそう。
もしかすると、自分の夢ややりたいことではないかもしれないけれど、やれることは無限にあるんです。やりたくないことはしんどいし、続きません。「やりたいことを見つけなきゃ!」と思わず、嫌なことをやらないように折り合いをつけられると良いですね。

やりたくないこと・嫌なことからやりたいことを考えてみる

吉本ユータヌキさんと桜林直子さんのラジオ風景
左が吉本ユータヌキさん、右が桜林直子さん

僕もそうだったんですけど「やりたいこと=何かすごいでっかいこと」として探していました。よくよく考えると「種を植えて花を咲かせたい」「美味しいものが食べたい」もやりたいことですよね。

やりたいことを特別視している人が多いのかもしれません。「あれを辞めたい」「これが嫌だ」も欲だと思います。私も嫌なことはいくらでも挙げられるので、それらを1つずつひっくり返す作業をするんです。

例えば、1日24時間の円グラフに今の生活を書いてみて「朝もっとゆっくり寝たい」「満員電車に乗りたくない」と考えてみると、やりたいことが見えてきます。

僕は年末になると、来年や10年後のことをノートに書き出しています。
例えば10年後なら「家族や子どもたちに嫌われていたくないな」「髪の毛がずっとあってほしいな」といった小さい夢があって。10年後にそれらを実現するため「今何ができるか?」を考えれば、行動が見えてきますね。

そうやって長い目で見る視点は大切ですね!
新たにやりたいことを見つけようとせず、現状を見直すのが良いかもしれません。突きつめると「不満があるのはゆとりがないから」に収束する気がします。ゆとりがない状態で新しく何かを足そうとしても出てこないので、ゆとりを作るための行動を考えると良さそうです。

ー自分にむいていることをどうやって見つければ良いでしょうか?

自分で自信があるわけではないんですけど、漫画の依頼をいただけているということは向いているのかな?と思っています。自分が熱望するほどやりたいことではないけど、続けられているので。

強みを見つけようとしなくて良いと思います。「嫌ではない」「続けられる」くらいのことで十分なのかな、と。「人から秀でているから向いている」ではなく、自分が苦ではなくて続けられるなら得意なことだと考える。「靴ひもが結べる」レベルのこともできることとしてカウントし、ハードルを下げていくことが大切です。

そのお話、会社員をしている時に聞きたかったです!

当時、僕は業務や上司と合わなくてしんどい思いをしていました。それでも続けていたのは、同僚と後輩が大好きだったから。その人たちといる時間は楽しかったのですが「これで良いのかな?」と悩むようになって辞めました。

自分の能力だけではなくて、環境の向き・不向きもあると思います。

部活で例えるなら、自分の高校の野球部はあまり熱心ではない。一方、自分はプロになりたくて一所懸命やっている。がんばればがんばるほど、部内で浮いてしまう。それは彼がプロ野球選手に向いていないのではなくて、がんばる場所が違うのだと思います。みんなががんばっている環境に行けば、お互いが高め合えますよね。

職場でも同じことが言えると思うので、適性の向き・不向きだけでなく、環境の向き・不向きがあることも考えてみてほしいです。

僕も「就職したらそこで長く続けないといけない」と思っていました。やってみて「違うな」と思ったら、次に行ってみたら良いですよね。意外と「もっと早く辞めたら良かった」と思うこともあるので。

環境の向き・不向きは、その場所から出てみないと分かりませんよね。辞めてしまった結果「この仕事は向いていなかった」と結論づけるのではなく、その中でもできたことを見つけてほしいです。

やりたいことを仕事にするなら、優先順位を考えよう

吉本ユータヌキさんと桜林直子さんのラジオ風景
左が吉本ユータヌキさん、右が桜林直子さん

職業の名前ではなく、やっていることの方が大切だと思っています。
私は今「雑談の人」という肩書で仕事をしていますが、もともとは20年近くお菓子屋の仕事をしていました。まったく違うことをしているように感じるかもしれませんが、お菓子屋の中でもことばを扱う仕事をしていたので、実はやっていることは変わっていないんです。今までやってきたことの中から嫌なことを捨て、良いことだけを残していった結果、今につながっています。

「職業の名前にとらわれる」に関連して、業界でも似たようなことが言えると思います。「料理が下手だから」「スポーツができないから」とその業界の仕事を諦めてしまう人が多い気がしますが、その中でもできることはありますよね。

もちろん、ありますね。
今やっている仕事が「何か違うかもしれない」と感じたとしても、その中でできていたことが必ずあるはずなので、それは捨てずに持っていれば次につなげられると思います。職業の名前だけにとらわれないでほしいですね。

サクちゃんは趣味、すなわち「すぐにはお金にならないやりたいこと」と「お金のための仕事」のバランスをどう取っていますか?

例えば、漫画を描く仕事だと、自分の気持ちを発信するための創作漫画を作るだけでは、まずお金にならないんですよ。「家族を養うために商品のPR漫画を描く仕事を受ける」「自分の気持ちを表現するのに時間を使う」そのバランスを常に取っている状態です。

時間・お金・気持ちのどこでバランスを取れば自分が安心できるか?を考えると良いと思います。

私の場合はお金のバランスが取れていると安心できるタイプ。自分のクッキー屋を経営することで収入を得ていたからこそ、お金のためではなく、自分の好きな文章を書けた側面があります。

僕もよくあるんですけど、悩むと、給料が良くて楽そうな仕事を探してしまいがちです。時間もお金も気持ちもバランスを取りたくなってしまう。

なんでも一気にやろうとしすぎるとむずかしいですよね。自分にとって何が優先なのかを考えて、1つずつ変化させていくのが良いと思います。

ー最後に一言、お願いします。

事前のアンケートで私たちに質問をくださったこと、自分のモヤモヤと一度向き合い、ことばにして出してくださったことがすばらしいと思います。大きな解決を目指すのではなく、小さな階段をのぼるイメージで自分と向き合ってみてください。
配信トラブルもあった中、あたたかい感想をたくさんいただきました。本日はありがとうございました。

今日のラジオに質問や感想を送る、誰かに話す、といった一歩で気づきや解決につながることがあります。何もしなくても、モヤモヤしている、ぐちゃぐちゃしていることが自分で分かるだけでも良いと思います。みなさんの何かのきっかけになっていたらうれしいです。
本日はありがとうございました!

参加者の感想・気づき

ハードルを高くしすぎず、相談と目線を合わせてテーマに沿って話をしてくれたのがよかったです。コメントを拾ってくれるのも、こちらに理解を寄せてもらえてくれる感じがして気持ち的にもよかったですし、短い時間だと感じるくらい、拾いたい言葉が多かったです。(視聴後アンケートより)

「いやではない」が思っているよりも大事で、それは消極的な選択ではないのだな、と聴けたことが心に残りました。(視聴後アンケートより)

私は「皆ができてることだから自分ができてもすごくないんだ」と思いがちですが、今回のお話を聞いて、そう思うのはやめようと思いました。(視聴後アンケートより)

まとめ|自分と向き合い、やれることから始めよう

モヤモヤ雑談会」第1回では「やりたいことがない」をテーマにゲスト講師のおふたりのトークを聞きました。

新しく何かやりたいことを見つけるのではなく、今の自分と向き合って問いかけてみる。やれることを見つける。おふたりのトークには、狭くなっていた視野を広げてくれるようなヒントがつまっていました。

本イベントを運営している「しがジョブパーク」では、他にも求職活動で一歩踏み出すためのセミナー「SJP未来塾」やイベントを開催しています。

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演者の紹介
桜林直子さんのアイコン

株式会社サクアバウト代表。2011年にクッキー屋「SAC about cookies」を開業。自店の運営のほか店舗や企業のアドバイザー業務などを行う。コラム、エッセイなどを執筆。著書『世界は夢組と叶え組でできている』土門蘭さんとの共著『そもそも交換日記』。マンツーマン雑談企画「サクちゃん聞いて」主催。ジェーン・スーさんとのPodcast『となりの雑談』配信中。

吉本ユータヌキさんのアイコン

滋賀県在住の漫画家、イラストレーター。1986 年大阪生まれ。2020 年に「漫画家やめたい」と落ち込んでいたタイミングでコーチングと出会い、雑談を繰り返すうちに「他人の期待に応えるために漫画を描くことに苦しみを感じていた」と気づく。1年かけて「自分の描きたいことを描く」へと少しずつ変化し、それ以降「気にしすぎ」な人が少しでも気楽に生きられるヒントになる作品をつくりたいと思っている。著書に『あした死のうと思ってたのに』(扶桑社)、『「気にしすぎな人クラブ」へようこそ』(SDP)がある。

(記事執筆:近野)

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