【DX強化 取り組み事例のご紹介(1):彦根市/サービス業/A社】

DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる昨今、多くの企業がその第一歩をどこから踏み出すべきか模索しています。「しが経営変革ゼミ(DXコース)」を受講し、専門家による支援を受けた企業に、参加の背景から現在の取り組み、そして未来への展望を伺いました。
① 企業概要
彦根市/サービス業/A社
②経営変革ゼミ(DXコース)に参加した背景と課題感
きっかけは、営業部署とデザイン部署のそれぞれに具体的な課題を感じていたこと、そして最近よく耳にする「DX化」という言葉に興味を持ったことでした。受講の最大の動機は、一言で言えば「属人的な業務フロー」と「デジタルツールの活用不足」にありました。
まず営業部署においては、商品知識の確認や提案資料の作成といった「準備業務」に多大な時間を費やしていました。その結果、本来注力すべき営業行動そのものが圧迫されてしまっていたのです。一方、デザイン部署では、Web制作の効率化やさらなるクオリティアップが求められていました。特に生成AIの台頭を受け、これをいかに安全かつ効果的に現場へ落とし込むか。そのための運用ルールが定まっていないことが、大きな課題となっていました。
③ 自社で取り組んでいるテーマ
現在は全社を挙げて「便利・時短・DX化」を共通テーマに掲げ、取り組みを推進しています。営業現場でのAIボット活用や音声入力による日報作成の効率化、デザイン部での制作力アップなど、多方面からアプローチしています。私たちの目指すゴールは、デジタル技術を導入することそのものではありません。テクノロジーによって現場の負担を軽減し、社員一人ひとりが、より価値の高い業務(価値業務)に集中できる環境を構築することを目指しています。
④ 現在のテーマの取り組み状況について(上手く行っているところ)
現在、営業部署を中心にいくつかの試作や体験を行っており、大きな可能性を感じています。
一つは、NotebookLMを活用した「営業支援ボット」の構築です。営業担当者が膨大な商品知識や複雑な規約をすべて記憶しておくのは至難の業です。そこで、営業マンの支援ツールとして、まずは商品の知識や規約を学習させたチャットボットを試作しました。これが実現すれば、現場で即座に質問・回答が可能になります。資料を探す時間を大幅に短縮でき、クライアントをお待たせすることなく回答できる。これは確実な営業支援につながると感じています(現在は試作段階)。
もう一つは、音声入力機能の活用による時短です。「会議の議事録まとめ」や「日報」の作成に、音声入力とAIツールを組み合わせて活用する試みです。これまではデスクに戻ってキーボードを叩く時間が大きな負担でしたが、体験を通じて、日々の業務の大幅な時短になると確信しています(現在は体験フェーズ)。
また、専門家による支援の中で「DXにおいて完璧を求めないこと」という非常に重要な気づきを得ました。以前はDX化を複雑に難しく考えすぎていたのですが、音声入力や簡単なツール化といった「小さな成功体験」から始める大切さを学んだことは、組織にとって大きな変化でした。
⑤ 現在のテーマの取り組み状況について(上手く行っていないところ)
AIツールの圧倒的な便利さを実感する一方で、その裏側にあるリスク管理への対応が急務だと感じています。
具体的には、利用ルールやガイドラインの設定がまだ追いついていないのが現状です。AIは万能ではなく、誤情報を出力するリスク(ハルシネーション)があります。現場のメンバーがそのリスクを正しく理解した上で、AIの回答を適切に活用・判断できるような「リテラシーの向上」が不可欠です。単にツールを渡すだけでなく、安心して使える利用環境づくりを並行して進めていく必要があります。
⑥ 今後の展望やチャレンジしたいこと
今回のゼミと専門家支援を通じて、DXは現場・バックオフィス・デザイナーのあらゆる課題を解決する手段であると確信しました。それはサービスの向上や働きやすい環境構築、ひいては「会社・事業の成長に直結する」極めて重要なプロセスです。
また、DXによる生産性向上や時短は、単なるコスト削減のためのものではありません。早く仕事を終えて「家族との時間を創出する」ことや、AI活用という新しいスキル習得を通じた「自己成長によるモチベーションアップ」など、「従業員の仕事と生活を豊かにするもの」であると強く感じています。
DX化は、誰かが強力に推進しなければ実現できません。まずは私自身が旗振り役となり、「便利・時短・DX化」の実現に向けてチャレンジし続けていきたいと思っています。
今後は、導入したツールが現場に浸透しない、あるいは活用しきれないといった新たな課題や、運用していく中で浮き彫りになるリスクも出てくるでしょう。それらを乗り越え、さらに便利な環境を作るために、導入後の継続的なサポートも視野に入れながら、歩みを止めることなく変革を進めていきたいと考えています。

「小さな成功体験を積み重ねる」という姿勢は、多くの企業にとってDX成功のヒントになるはずです。従業員の幸福をDXの目的の最上位に置く同社の取り組みは、これからの企業経営にとってますます重要な位置付けになっていくものと思います。
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